about 私について
小幡 早織 おばた さおり
PROFILE
桑沢デザイン研究所 夜間部スペースデザイン 卒業
・2014年4月 | 第10回記念美術公募作品展ベラドンナ・アートにて「death education ラーフラ」展示、 同時開催ベラトンナ小作品展にて「現世」展示 |
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・2015年11月 | 「WellCON 2.0 〜医療福祉トークイベント〜in 東京(築地本願寺)」にて「 death education よるのびょういん」、「現世」、「death education ラーフラ」展示、イベント用 スタッフシャツとして「現世」使用 |
・2016年6月 | 第51回記念松戶市美術展覧会にて「ラーフラ」新人賞・努力賞受賞 |
Message
制作に対する想い
医療や死生観をテーマに、『見えないことを見せる』ための作品を制作をしています。
看護師は基本的にその姿勢として、患者に優しくありたいと願うものです。しかし多くの看護師は日々の業務に忙殺され、それが十分に出来ていない、と己を呵責しています。
私は看護師として経験を積み、現在は臨床を離れましたが、この職務状況が改善され、現場に残る友人や先輩・後輩、仲間達が皆幸福に仕事が続けられることを願っています。看護師が幸せであれば、それは余裕のある優しい看護となり、巡り巡って患者の幸福にも繋がる、と考えるからです。
私は小さい頃より生存することの意味や死について考え、仕事上たくさんの病や老い、命の終わりを見てきました。ちょうど私の生まれた1980年代頃から、日本では病院や施設での看取りが多くなりました。医療関係者以外は健康である限り、それらを目にすることも少なく日々を過ごし、家族の介護や自分自身の疾患など、我が身に健康問題が降りかかって初めて医療の現実を目の当たりにします。
そこで私は、この医療をめぐる現実を透けさせる=『見えないことを見せる』ことが出来たら、人々の意識や認識が変化するのではないかと考えたのです。見えていなかった病や老いの現実を作品として見てもらうことにより、健康や死生観を考えてもらうきっかけになればと思いました。ゆくゆくは人々が医療に求めるものが変化し、医療現場の負担軽減にもつながればと考えていました。
しかし奇しくも世界はコロナ禍を経験し、人々は健康や死生観に対する考えをある意味強制的に変化させられました。時代の変化に合わせ私も、今後は『人が病を経験した上でそれを受容し、どのように生を全うするか』ということをテーマに置き、引き続き作品制作をしてゆきたいと思っています。